Reading/Web/Desktop Improvements/Repository/固定ヘッダと目次のテスト

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調査による知見の報告書全文版

固定ヘッダ目次 (ToC) の改善はデスクトップ版の改善プロジェクトに組み込まれています。 これらは、読者や編集者がページ全体のナビゲーションやその他の重要な機能にアクセスするためのものです。

これらの変更は、さまざまな情報源からのデータに触発されたものです。 編集者からの要望もありました。また、プロジェクト開始に先立ち、生成的な調査を行ったところ、同様の結論が得られました。

私たちの試作品やアイデアを、さまざまな場面で読者や編集者に試してもらうことを約束しました。 テストの取り組みは、固定ヘッダならびに目次は将来を見越して複数バージョンの試作版の準備から着手しました。 次に、ガーナ、インドネシア、アルゼンチンの 3 つの新興地域の読者と編集者でテストを行いました。

私たちの目的は、各プロトタイプの全体的な実用性を判断し、将来的に必要な変更点を見出すことでした。 この報告では、このテストの結果を示し、機能自体の次のステップを強調しています。

はじめに

現在、多くの便利なツールや機能は、ページの上部や左側のパネルでしか利用できません。 検索も言語切り替えも、 (目次など) ナビゲーションも含まれます。 人気のあるツールや機能を、ページのどの位置からでも利用できるようにして、アクセス数を増やす試みをしたいと考えています。

今回の調査では、そのための 2 つの可能性を探りました。

固定ヘッダー (Sticky header)

長い記事のページでは、最初の数段落を過ぎてしまうと、利用者はツールなどにアクセスするために再び上にスクロールする必要があります。 この対処法を提案するなら、サイトヘッダ(および/または記事のヘッダ)を「固定」することです。 これにより、スクロール ダウンしてもヘッダーは画面上部 (コンテンツの上) に固定されます。 仮定の固定ヘッダ上の空間(記事のページを下方へスクロールしても常に表示される)は限られており、便利に使うにはどの機能やツールを載せるべきか調査が必要でした。

この部分の調査は次の質問の答え探しに焦点を当てしました。ツールと機能を固定表示するスペースが限られているという条件で、閲読者にとって価値がある群と、(それとは別に) 編集者の場合は?

目次 (ToC)

ページ内でのユーザー体験では、目次はナビゲーションのためにとても重要です。 過去の調査によると、利用者は記事の構成や内容を判断するために目次を参照し、目指すコンテンツへさっと行き着くことを期待しています。 現状では、ほとんどの記事ページは目次はページ最上部の近くに置かれています。

この部分の調査で主に精査したのは、記事を読む間、目次 (ToC) を常に表示させると、現状 (ページ上部に置いてある形式) よりも利用者にとってもっと価値があるかどうかという点でした。 その後、この機能を提供する最善の方法を検討しようとしました。

手法

この調査の作成と調整はウィキメディア財団設計調査チームが担当しました。 読者や編集者に公開した試作版は、Readers/Web/Teamウェブチームが作成しました。 実際の調査は以下の取引業者3社が実行しました。

  • ガーナ担当 URIKA Insights
  • インドネシア担当の Terang Riset Pratama
  • アルゼンチン担当の CRIBA Research

参加者

新興の地域3ヵ所(ガーナ、インドネシア、アルゼンチン)は目次(ToC)の試作版と、固定ヘッダ(SH)に載せる要素/使いやすさの評価に参加しました。 調査対象の言語版は3言語でした - 英語 (ガーナ)、標準インドネシア語 (インドネシア)、スペイン語 (アルゼンチン)。 それぞれの言語版のウィキでテストを実施し、参加者は6名ずつで、およそ半数は新規利用者または読むだけの利用者、残り半数は定期的に作業する編集者で構成しました。

固定ヘッダー (Sticky header)

固定ヘッダについて実用の可能性を感じさせる試用版を2つ作成しました - 一方は読者目線、他方は編集者目線でまとめました。 参加者にはプロトタイプを使ってみて、日頃のウィキペディアの使い方をした場合、それぞれに備わった機能がどれくらい便利か、ランキングを付けてもらいました。

調査の目的:

  • 読者 (ログアウトした利用者) にとって、あると理想的な要素の検討
    • 検索、記事の題名、言語の切り替えその他
  • 編集者 (ログイン利用者) にとって、あると理想的な要素の検討
    • トークページ、履歴、言語の切り替え、けんさく、その他
      • この群がログインしていない状態の場合、この一覧を変更する方が良いかどうか
  • それぞれのまとまりごとに要素の相対的な優先順位を付けること
  • プロトタイプのうち、前述でグループごとに検討した要素を持つものの評価

調査の設問:

  • ツールや機能の固定に使える表示領域が限られているとして (将来的にはログイン利用者用にカスタム化を可能にするがログアウト利用者用は検討外)、次の一覧の優先順位とは:
    • ログアウト利用者
      • ウィキペディアのロゴ
      • 記事名
      • 節の見出し
      • 検索
      • 言語の切り替え
      • 編集
    • ログイン利用者
      • ウィキペディアのロゴ
      • 記事名
      • 節の見出し
      • 検索
      • 言語の切り替え
      • 編集/ソースの編集
      • トークページ
      • 履歴
      • ウォッチリスト
      • ページツール (例=移動)
      • 利用者ツール類 (利用者に関係のあるメニューを展開: 利用者ページ、サンドボックス、個人設定、トークページ、ベータ版機能、ウォッチリスト、投稿履歴、アラート、通知)
      • お気に入りのガジェット類 (例= twinkle など個人設定で選んだもの)
    • どの要素を固定しますか?
  • どの要素を「必要」 (上スクロール、カーソルを当てる、またはその他の操作?) に応じて表面化させるか

目次 (ToC)

目次に関して、参加者にはまず、いつものようにサイトをあちこち見て回ってもらいました。 目次の使用に関する一般的なとらえ方は把握できました。 次に、目次として仮想されるバラエティとして、複数のプロトタイプを提示しました。 ここでは、ページ内のどこを表示しても常に目次が見えるとして、さまざまな表示方法の検討に重点を置きました。 プロトタイプを良いと思う順にランク付けすることと、目次がページのどこを読んでいても常に見えるという発想自体についてフィードバックを書いてもらいました。

調査の目的:

  • 目次をなぜ使うか質的な理解を確立する、つまり読者にとって価値を提供する方法とは
    • ページの長さに応じて、場合はどうなるか、ごく短い、中程度、長編に差はあるか?
  • ページ内のナビゲーションに関する他の方法の使用状況について理解を固めるする (例=ページ内を検索)
  • ページのどこを表示しても常に目次 (または 類似のナビゲーション用ツール) にアクセスできると価値があるかどうか、今後に役立つ理解を確立すること
    • 閲覧している部分のみ表示してと記事全体のレイアウトが見える場合と対照すると、記事内の移動のために実際に目次をクリックする挙動に価値の差はあるか?
  • ページ内のナビゲーション方法を対照評価、 3-4 種類の方法/固定型目次という解決法 (こちらはプロトタイプを検討)
    • 1) 固定型の目次
    • 2) 記事のヘッダー部分にメニューを置いて目次を表示させる
    • 3) 記事の横に索引 drawer を置いて目次を配置

調査の設問:

  • 記事のどこを読んでいても 目次を表示させたなら、読者に提供する価値は増えるでしょうか? (ページ最上部に固定した場合との対比)
  • 目次を主な使用事例とは? 参加者はこれをどう考えるか?
    • 目次を利用する場合、クリックするリンクは1個だけか、2個以上か?
    • 記事内をナビゲートするとき、目次をどう利用するか?
    • もしあるとしたら、現状の目次の主な短所とは?
  • 使い方にパターンはあるか? (例=記事の長短の差、利用者の経験値の差)
  • オプションの A (新しいサイドバーの目次) と B (補完的な目次) を対照させると、利用者が気づいた主な違い (または妥協点) は何か?
  • 固定型目次のあるなしで、記事の把握に差はあったか?
  • 固定型の目次は幅が狭いため、そのせいで視認性/読みやすさを損っていないか?
  • 優先順位が低い質問:
    • 右か、左か?
    • 表示する深さのレベルは?
    • 付番するかしないか?


結果

総括

固定ヘッダも目次も試用版は言語にかかわらず、テストに参加したグループから好評を得ました。

固定ヘッダに対して多数の指摘が寄せられ、最も便利な要素の優先順位がわかりました。 要素の優先順位は配置と利用者のログイン/ログアウト状態に基づいてバラエティを持たせます (詳細は後述)

固定ヘッダー

テストの被験者全員 (閲読者と編集者) には、自分にとってメニューにあると便利な機能について、優先順位を付けてもらいました。 ここに示した結果は言語間で差異があるものの、目立った違いはありませんでした。 以下に複合的な優先順位を示します (配置基準の優先順位は前述の全文版レポートをご参照ください。)

ログアウト利用者:

  1. 記事名
  2. 節の見出し
  3. 検索
  4. 言語の切り替え
  5. ウィキペディアのロゴ
  6. 編集

ログイン利用者:

  1. 検索
  2. 記事名
  3. トークページ
  4. 編集
  5. 言語の切り替え
  6. 履歴
  7. 利用者ツール
  8. ページツール
  9. ウォッチリスト
  10. ガジェット
  11. ウィキペディアのロゴ
固定ヘッダの試作版、ログイン利用者用

さらに利用者がログインしているかしていないかでプロトタイプを分けたので、その点も評価をお願いしました。 プロトタイプについて全員から肯定的な体験がレポートされました。 一部の利用者から、固定ヘッダはスクロールしなくても常に表示してほしいというリクエストがありました。 被験者で編集者の人からは、固定ヘッダの要素をもっとカスタム化したいというリクエストがしばしば寄せられました。 固定型ヘッダーに表示したアイコンがわかりやすいかどうか質問すると、プロトタイプに使用した複数のアイコンの意味がわからないという意見が多くの利用者から寄せられ、なかでも特にベータ機能、ガジェット、利用者の貢献のアイコンが指摘されました。

目次

どの利用者も、ウィキペディアを読む体験において目次は欠かせないと認めました。 調査結果からはそもそもなぜ目次を使うかという使用事例について次の洞察が得られました。

  • ページの内容をパッと見て把握する - つまりページが提供する情報について/参加者が求めている情報はページにあったかどうか?
  • そのページの形/見取り図の感覚がわかり、頭の中に模型を組み立てる - ページの構成、他より長いセクションはどれかなど
  • 特定の節もしくは情報に直接、移動する

利用者タイプと挙動の変化

これらの結果は、参加者が新人か、閲覧専門の読者か、編集者かによって少し差があり、読者と編集者の傾向として、長さが中程度から長編の記事の場合には、記事の他の部分を操作するよりも先に、直接、目次の使用が多くなりがちでした。 短いページの場合、目次はあまり利用されませんでした。 参加者は全員、記事の最上部でしか目次を利用できない点は問題だと示しました。

新規利用者:

  • 主題を探して記事のスクロールを繰り返す傾向
  • 目次の利用は移動用よりも文脈優先

閲覧専門の読者:

  • 最初に直接、目次を操作する傾向 - 記事の内容把握のための最初の一歩として。
  • コンテキストが確立すると、閲覧専門の読者は新規参加者と比べて目次の利用が多い傾向がある

編集者:

  • 目次へ直行
  • 目次は主に記事内の移動のために使用 (スクロールを繰り返さない)
  • 記事を読んでいるときも脚注を見たり移動のために目次に戻ってくる傾向

目次プロトタイプのランキング

目次のプロトタイプは5種類用意し、参加者に使ってみてもらいました。 どのグループでも、固定型目次のプロトタイプは他のプロトタイプよりもいちばん高評価でした。 ウィキメディアのどのウィキか、習熟度の違いに基づく有意な差は観察されませんでした (新規参加者、閲覧専門の読者、編集者。)

その他のランキングは以下のとおりです。

  1. 固定型。 このプロトタイプでは目次は左の余白に配置してあります。 また折り畳み式プロトタイプには横に矢印があり、すべてのセクションと下位セクションを表示させることもできます。 このプロトタイプを選んだ理由として参加者から指摘されたのは、常に目次にアクセスする場合、クリックなどの操作が不要な点です。
    固定型目次の調査用プロトタイプ、ウィキメディアのウィキを想定して作成
  2. ヘッダーに目次を配置。 この試作版では、固定ヘッダにページの目次組み込みました。 このプロトタイプの使いやすさは参加者に高く評価され、その記事にどんなセクションやサブセクション があるか明確な点が特に指摘されました。 しかしながら、折り畳み式のプロトタイプは参加者に不評で、常に開いたままの方が良いと要望がありました。
    見出し優先型目次の調査用プロトタイプ、ウィキメディアのウィキを想定して作成
  3. 浮動式のドット型。 このプロトタイプでは目次をページの端に配置し、固定型だが折り畳み式の要素として、カーソルを当てると展開する形式にしてあります。 ここでもまた、固定型の目次要素は高評価でした。 しかしながら、参加者からは目次を開くと記事に重なるのは良くないと 示されました。
    浮動ボックス型目次の調査用プロトタイプ、ウィキメディアのウィキを想定して作成
  4. 浮動型のボックス形式。 このプロトタイプの場合、記事の右下に小さな箱を置いて、押して展開させると固定型の要素を見ることができます。 テスト中の参加者には、この要素を見つけるのが困難でした。 展開したとき、目次が記事を隠してしまう点の不評も示唆された
    ドット箇条書き型目次の調査用プロトタイプ、ウィキメディアのウィキを想定して作成
  5. トップへ戻るボタン。 このプロトタイプにはボタンがあり、参加者が押すとページ最上部に戻ってもともと置いてある目次を見ることができます。 どのグループでもこのプロトタイプは低評価でした。 参加者からは、ブラウザ機能もしくはキーボードのホームボタンを使えば良いので、これといって機能性が増えたとは言えないと指摘されました。
    トップへ戻るボタンのプロトタイプ、 ウィキペディアの場合

その他の重要な観察点は以下のとおりです。

  • 参加者は常に利用できる点を高く評価した - すべてのテストで固定型が最も高評価
  • 情報量は多い方が良いとの参加者の指摘 - セクションや下位セクションをすべて表示させたプロトタイプのほうが支持された
  • 目次がコンテンツを隠してしまうのは良くない、たとえ目次がページ最上部に置いてあって、その補助のためであってもやめてほしいと参加者から示されました。
  • 参加者は自分が記事のどの部分を見ているのか知りたいし、記事題名や見出しが太字で表示されるなどの補助機能は位置感覚に役立つと示唆

協議と次の段階

この調査から固定ヘッダと目次について、機能案の開発に重要な情報が得られました。 どちらの機能も全体として参加者の評価は高く、ウェブチームは上記の結果を受け、機能の開発を続けます。

固定ヘッダー

用意できた試作版の反復開発を重ねる上で、項目の重要度に焦点を当てて優先順位を付け、下記の固定ヘッダに組み込みました。 調査は固定ヘッダのさまざまな誘引機構を探す予定で、それにはページ最上部に常にヘッダを見せることも含まれます。

目次に関する研究は引き続き試作版のテスト対象を広げ、さまざまなウィキメディアのプロジェクト群にわたり編集者その他のログイン利用者を対象に行う予定です。

目次

常駐型の試用版は全てのグループで最上位に入ったことから、将来的に計画に組み込む可能性を検討する目的でのみ反復開発をします。 また、一覧全体の表示が難しいもしくは効率が悪い状況でも折りたたみ式を選択肢として応用できないか調べる予定です。たとえば、画面が小さい端末への対応になるかもしれません。

目次に関する研究は引き続き試用版のテスト対象を広げ、さまざまなウィキメディアのプロジェクト群にわたり編集者その他のログイン利用者を対象に行う予定です。