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デスクトップ版の改善
![]() ベクター外装に一連の新機能と再配置をもたらす
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現在のウィキペディアで使われる既定の外装(ベクター)が導入され、12年が経過しました。 この10年余りの期間に、拡張機能、ガジェット、利用者スクリプトによってインターフェイスの奥行きが深まりました。 そのほとんどはビジュアルまたはウィキ横断的に調整されていません。 また同時に、ウェブデザイン、あるいは閲読者や編集者の期待値が伸びています。 そこからいくつかのアイデアを取り上げ、全ての人、すべての外装で規定の経験として、整理をしたムラのない実装を目指しています。
目標はウィキメディアのウィキをもっと利用者に親しみやすく、さまざまな閲読者に対応するユーティリティを盛り込みつつ、既存の編集者が慣れたユーティリティを保持することです。私たちのサイトに寄せられる信頼を高め肯定的な感覚を増やせたか、サイトのユーティリティ(検索や言語切り替えなどよく使われる操作)はどうか計測します。
現在、ほとんどのウィキにおいてログイン利用者のみ個別に選択肢を有効にできます。指定されたウィキの場合、私たちが加えた変更点を既定でそのウィキの利用者全員を対象に実装、ログイン利用者には無効にする選択肢があります。早期導入 のウィキ群を段階的に増やし、やがて2022年7月には全ウィキ群で既定の設定として実装する予定です。
更新情報
2022年8月: ウィキマニア、視覚的な改善、その他の変更

機能に関する構造の変更を実施、ベクター2022の開発が終了に向かいます。特筆するべき項目は次のとおり。
- 視覚的な改善に取り組んでいます。 変更の対象は書式、リンクの色、文字(フォント)の大きさ、記事の内容部分の幅その他です。 これは試用版のテスト最終ラウンドで投稿してもらったフィードバックの集計を基本としています。
- 目次一覧 (ToC) の更新は、コミュニティから寄せられたフィードバックを反映、更新を公開しました。 これら更新により、画面が狭い、またはとても広い場合にも目次一覧を使いやすくなります。 以前より、利用者がカスタム設定できる部分を増やしました。 今後、3、4週間にわたり以下の変更を皆さんにお見せします。
- 画面サイズに関わらず、目次一覧は折りたたみ式
- 目次を折りたたんだ場合、ページ最上部の題名の隣に収容されて固定型ヘッダ(sticky header)にも配置します。
- 編集チーム(Editing team)は現在、トークページの改善に焦点を当てており、トークページで固定ヘッダーを有効にした場合、「話題追加」ボタンがトークページの固定ヘッダに追加されます。 これにより、トークページ内のどこを読んでいても、ページ最上部までスクロールせず、楽に新しい話題を追加できるようになります。 担当チームのプロジェクトページにて、この変更に関する詳細、プロジェクトの全体像をご参照ください。
私たちはベクター2022をめぐり、より多くのコミュニティで既定の外装にする方法について議論を続けてきました。 皆さんのフィードバックのおかげで、外装がより良くなってきました。 ここに感謝を申し上げます。 では、またお会いしましょう! 8月13日土曜日(UTC)には、ウィキマニアでセッションを開き、また終了後には別の質疑応答ミーティングを催す予定です。
2022年7月: ページの題名/タブの切り替え

最新の更新作業の一部を展開します。 ページの題名の下にタブを表示し、Discussion、Read、Edit、View history、Moreなど並ぶようになりました。
この変更により、改善点2点を盛り込みました。 第一に、閲覧しているページと関連のある項目をタブで明確に示すことです。 ページ題名を上に置くことで、一目でわかります。 またこの変更により表示言語の切り替えが楽になります。 言語切り替えボタンはページ最上部の、さらに目立つ位置に移してあります。 詳細は Phabricator をご参照ください。
この変更に至るまで、小さな段階を重ねてきました。 6月末より2022年版ベクター外装 Vector 2022 を選んだ(訳注:個人設定で有効にしている)利用者全員に、また複数の早期導入ウィキでお使いいただける状態です。 全ての早期導入ウィキで、7月4日の週に表示はこの変更を反映します。
これに加え、次の事務局時間を予定の7月12日から7月26日に変更します。 これにより、既定で2022年版ベクター Vector 2022 にアクセスするその他のウィキ群との意思疎通を準備する時間を作ります。 今後、事務局時間において多言語支援を改善するため準備中です。 本件について、まもなくお知らせします!
2022年4月: 目次が利用可能に
新しい目次一覧を展開しました。 特定のページの文脈をつかみやすくなり、ページ上部へスクロールしなくてもページ内の移動が楽にできます。
現状では3グループの利用者に提供しています。 1番目は2022年版ベクター外装(2022 Vector)を使い、早期導入のウィキ以外の利用者。 2番目と3番目は - ウィキペディアのヘブライ語版とバスク語版のログイン利用者の50%。 来週には、その他の早期導入のウィキで目次一覧の A/B 試験を実施します。 果たして、ページ上部へスクロールする頻度が減るかどうか、見極めたいと考えています。
これらに先立ち、 読者と編集者の両方を対象に、一連の試用版の試験を準備していました。 皆さんからのフィードバックに基づき、どのように機能に取り組んできたか、詳細はプロジェクトのページをご参照ください。
さて、2番目の段落で対象とした利用者の皆さんからフィードバックを受け、機能の調整を続けています。 その中で特筆点は次のとおりです。
- 画面幅が狭い場合の目次一覧。 現行では1000px以下では目次一覧を非表示にしていますが、その閾値を広げようとしています。 (より詳しくは T306904 をご参照ください。 ) これは画面幅が狭い場合にも快適に閲読できることを目指しています。 ただし、これはあくまでも暫定的な措置です。 最適の解決策について、対話はT306660 で続けていく予定です。 できれば4月末から5月初めには、対話であがった 選択肢から取り組める順を整理して次の段階を明確に示したいと考えます。
- 画面幅が 1000px - 1200px の間で、余白を削る作業に取り掛かりました。 これは目次一覧を縮小し、文字の表示域を広げるためです。 これに関しては T307004 で追跡し、数日のうちには実施版の用意が整う見込みです。
目標は?
たとえば洋服を保管するとして
-
こんな状態を段階的に……
-
……こういう感じにしたい :)
インターフェースは現状……
……利用者が予測する動きにマッチしていません。 ……ごちゃごちゃしていて、直感的に使いにくいです。 ……コミュニティの視点を強調していません。 ……モバイル版と違う点があります。
- デスクトップ版のインターフェースは、最近のウェブプラットフォームを使う利用者には見慣れない挙動をします。それで使い方の感覚が失われ、仲間外れにされた感覚を味わいます。ナビゲーションとインターフェイスのリンクは無計画に編成されています。
- 利用者がある目的を持ってページを開いても、ごちゃごちゃしていて目どこを見れば良いのか把握しにくいため、目的を果たすのがむずかしくなっています。閲読者はコンテンツに集中できず目移りしてしまいがちです。言語の切り替え、コンテンツの検索あるいは閲読の設定の調整などが、直感的にできないのです。編集初学者はアカウント登録の時に慣れた方法と違ってまごつき、エディタ機能をどうやって使い始めるのか、あるいは調整をしたくても記事ではないページの利用法を学ぶのもひと苦労です。
- ウィキメディアのウィキ群の機能を理解している読者はごくわずかです。多くの読者は自分が読んでいるコンテンツの執筆者はボランティアであり頻繁に更新されること、または自分も同様に貢献できるかもしれないことを知りません。
- デスクトップ版のインターフェース、アプリ、モバイルウェブ版では、経験に大きな違いがあるため、閲読者は私たちの製品群をひとまとめのものとして把握しにくくなっています。同じウィキメディアなのに、サイトごとに統一感がありません。
変更の進め方
原則
コンテンツへの介入はしません。 既存の機能を廃止することはありません。 取り組む対象はベクターに限定します。 既存のガジェットから発想を得ています。 大がかりな変更を一気に導入することはありません。
- 取り組む対象はインターフェースに限定します。書式テンプレートやページ上のコンテンツの構成、地図のサポート、ウィキ間テンプレートは作業の対象外です。
- 私たちが加えた変更は目で見てすぐわかりますが、裏では革新的な取り組みが行われ、閲読者にも編集者にもサイトのなじみやすさが変わらないようにしています。どの機能も、個別に討論や開発、実装を進めます。
- インターフェースの要素の配置が変わるとしても、現在、既定で表示されるナビゲーション用の項目およびその他の機能は存続する予定です。
- ベクター以外の外装は、私たちが取り組む調整の対象外です。ベクターはレガシー版をフリーズ、新機能は新しい既定のベクターの一部として実装に取りかかります。
- 多くのウィキを分析した結果、たくさんの便利なガジェットの存在に気づきました。なかにはもっと明示され、既定の利用者体験に組み込むとよいものもあります。
- 開発前後のどちらの段階でもデータを収集します(A/B 試験、試用版のフィードバック過程ほか)。もしも目立って否定的な結果が出た場合は、変更点をロールバックするつもりです。
- これら改善は、ウィキペディアならびに姉妹プロジェクト群に参加する多様な早期導入 ウィキに、ボランティア基準でテストしてもらいたいと考えます。
大部分のウィキ | 早期導入 ウィキ |
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編集者にも閲読者にも 私たちの変更点は可視化しません |
編集者も閲読者も 私たちの変更点がわかります |
編集者のみ機能を有効にできます (個人設定で指定、表示タブでベクター (2022年版)のレ点を外す) |
編集者がオプトアウトできる (設定はサイドバーの以前の外観に切り替えもしくは各人の利用者個人設定で直接、指定) |
実装計画と日程
改善点はすべてのウィキで2022年8月/9月に既定にできたらと望んでいます。
Engineering | Community relations | ||
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July 2022 | Grid deployment | Process conversations, deployment conversations |
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Visual refinements | |||
Meetings with communities | |||
August 2022 | |||
Deployment conversations | Wikimania workshop | ||
Bug fixing | Meetings with communities | ||
Deployments on all wikis in batches |
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September 2022 | |||

早期導入ウィキの一覧(テストウィキ)
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ウィキの最初のグループ (上のタイムラインの ◇ マーク): ウィキの 2 番目のグループ (上のタイムラインの ◇◇ マーク):
ウィキの 3 番目のグループ (上のタイムラインの ◇◇◇ マーク):
ウィキの 4 番目のグループ (上のタイムラインの ◇◇◇◇ マーク): |
参加と連絡先
- 個別テスト: 個人設定ページの選択項目 ベクター (2022年版) をクリックして選択(レ点)を外してください。 変更点を有効にするには、グローバル個人設定で指定することもできます。
- オンラインのミーティングに参加しませんか: 2、3週間ごとに予定しています。
- 広める:参加しているコミュニティで情報共有しましょう。更新情報やブログ投稿をシェアしてください。
- バグ報告:バグの報告先は Phabricator にタスクを新設してプロジェクト名 #desktop-improvements を追加します。
- early adopter ウィキを段階的に増やし、改善点を既定に組み込む2022年前期へとつなげたいと希望しています。 皆さんのコミュニティでは、このインターフェースを既定として導入することに前向きでしょうか? ぜひご連絡ください。
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コミュニティ連携専門職
Szymon Grabarczuk
sgrabarczukwikimedia.org
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ペルシャ語大使
Mehran
mehran-ctrwikimedia.org
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フランス語大使
Patafisik
patafisik-ctrwikimedia.org
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ベトナム語大使
Phuong Pham
ppham-ctrwikimedia.org
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スペイン語大使
Zapipedia
izapico-ctrwikimedia.org
- * 翻訳: 以下の関連ページの翻訳にご協力ください:
追加する機能
今のところ製品のスペック完全版を詳細に書き終えていません。一定期間に、機能ごとに個別にビルドし実装するからです。新規開発した機能には作成後、調整と改善が続いています。コミュニティからのフィードバック、利用者テスト、さらに API 抽出データに基づき、意思決定を進めます。